多年草ハーブの栽培
多年草ハーブは、一度植えれば数年間、またはそれ以上収穫を楽しむことができる植物です。手がかからず、毎年新しい苗を用意する必要がないため、初心者にもおすすめです。ここでは、代表的な多年草ハーブの栽培方法について解説します。
ラベンダー
ラベンダーは、その美しい花と芳しい香りで世界中で愛されているハーブです。リラックス効果や安眠効果があるとして、ポプリやアロマテラピーにも利用されます。
植え付け
ラベンダーは水はけの良い土壌を好みます。鉢植えの場合は、市販のハーブ用土や、赤玉土、腐葉土、川砂を混ぜたものが適しています。地植えの場合は、植え付ける場所の土に堆肥や腐葉土を混ぜて、水はけを良くしましょう。
植え付けの適期は、春(3月~5月)または秋(9月~10月)です。株間は30cm~50cm程度空けて植え付けます。株が大きくなることを考慮して、余裕を持ったスペースを確保しましょう。
日当たり・置き場所
ラベンダーは日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。日照不足になると、生育が悪くなったり、病害虫が発生しやすくなったりします。ベランダや庭で育てる場合は、一日中日が当たる場所を選びましょう。
水やり
ラベンダーは乾燥に強いハーブですが、極端な乾燥は避ける必要があります。地植えの場合は、根付いてしまえば基本的に水やりは不要ですが、夏場の乾燥が続く場合は様子を見て水を与えましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。ただし、水のやりすぎは根腐れの原因となるため注意が必要です。
肥料
ラベンダーは肥料をあまり必要としません。植え付け時に元肥として緩効性肥料を少量与える程度で十分です。春と秋に、液体肥料を薄めて与えることもありますが、与えすぎると香りが薄れることがあるので注意しましょう。
剪定
ラベンダーの剪定は、開花後に行うのが基本です。花が終わった枝を根元から3分の1~半分程度切り戻します。これにより、株の形を整え、風通しを良くして病害虫の予防にもなります。また、春先に古い枝を整理することで、株の若返りを促すこともできます。地際から出てきた新しい芽を傷つけないように注意しましょう。
収穫
ラベンダーの収穫は、花が咲き始めた頃に行います。花穂を根元から切り取ります。収穫した花穂は、逆さまにして吊るし、乾燥させてポプリやサシェ、ドライフラワーとして利用します。また、生のまま料理やお茶に使うこともできます。
ローズマリー
ローズマリーは、肉料理や魚料理の臭み消しに重宝されるハーブです。その独特の爽やかな香りは、料理だけでなく、リフレッシュ効果も期待できます。
植え付け
ローズマリーも水はけの良い土壌を好みます。鉢植えの場合は、市販のハーブ用土にパーライトなどを混ぜて水はけを良くしましょう。地植えの場合は、植え付け場所の土に堆肥や腐葉土を混ぜ込み、水はけを改善します。
植え付けの適期は、春(3月~5月)または秋(9月~10月)です。株間は、成熟した株の大きさを考慮して50cm~1m程度空けます。品種によっては大きく成長するため、十分なスペースを確保することが重要です。
日当たり・置き場所
ローズマリーは日当たりの良い場所を好みます。日照不足になると、枝が徒長し、葉が落ちやすくなります。最低でも1日数時間以上日が当たる場所を選びましょう。
水やり
ローズマリーは乾燥に非常に強いハーブです。地植えの場合は、根付いてしまえば基本的に水やりは不要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に夏場は乾燥しやすいため、注意が必要です。ただし、水のやりすぎは根腐れの原因となるため、過湿にならないように注意しましょう。
肥料
ローズマリーは肥料をあまり必要としません。植え付け時に元肥として緩効性肥料を少量与える程度で十分です。生育期である春から秋にかけて、月に1回程度、薄めた液体肥料を与えることもありますが、多肥は禁物です。
剪定
ローズマリーの剪定は、生育期であればいつでも行うことができます。特に、収穫を兼ねてこまめに枝を切り戻すことで、株の形を整え、枝葉を密に茂らせることができます。不要な枝や枯れた枝は随時取り除きましょう。秋の終わり頃には、冬越しに備えて軽く剪定しておくと良いでしょう。
収穫
ローズマリーは一年を通して収穫できますが、香りが最も強くなるのは春から夏にかけてです。枝の先端部分を切り取って収穫します。収穫した葉は、乾燥させて保存したり、生のまま料理に利用したりできます。
ミント
ミントは、その清涼感あふれる香りで、飲み物やデザート、料理など幅広く利用されるハーブです。非常に繁殖力が強いため、地植えの場合は他の植物のスペースを奪う可能性があるので注意が必要です。
植え付け
ミントは比較的どのような土壌でも育ちますが、水はけの良い、やや湿り気のある土を好みます。鉢植えの場合は、市販のハーブ用土に赤玉土や腐葉土を混ぜたものが適しています。地植えの場合は、堆肥や腐葉土を混ぜて土壌改良を行いましょう。
植え付けの適期は、春(3月~5月)または秋(9月~10月)です。ミントは繁殖力が非常に強いため、鉢植えで育てるか、地植えの場合は根域制限(プランターの底を切り取って埋めるなど)を設けることをおすすめします。株間は20cm~30cm程度空けます。
日当たり・置き場所
ミントは半日陰~日当たりの良い場所で育てることができます。ただし、真夏の強い日差しは葉焼けの原因となることがあるため、直射日光が強すぎる場合は、半日陰になるような場所を選びましょう。
水やり
ミントは乾燥に弱いため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に夏場は乾燥しやすいため、こまめな水やりが必要です。鉢植えの場合は、受け皿に水を溜めておくことで、乾燥を防ぐことができます。ただし、常に土が湿った状態だと根腐れの原因になるので注意しましょう。
肥料
ミントは比較的肥料を必要とします。生育期である春から秋にかけて、月に1~2回程度、薄めた液体肥料を与えます。肥料が不足すると、葉の色が悪くなったり、香りが弱くなったりすることがあります。
剪定
ミントの剪定は、生育期であればいつでも行うことができます。収穫を兼ねてこまめに枝を切り戻すことで、株の形を整え、新しい葉の成長を促します。伸びすぎた茎や、元気のない葉は随時取り除きましょう。地下茎で増えすぎるのを防ぐためにも、定期的な剪定は重要です。
収穫
ミントは一年を通して収穫できます。葉や茎を必要な分だけ切り取って利用します。収穫したミントは、生のまま飲み物やデザートに添えたり、乾燥させてハーブティーやポプリにしたりすることができます。こまめに収穫することで、株の成長を促進させることができます。
一年草ハーブの栽培
一年草ハーブは、一年で一生を終える植物です。毎年種をまいたり、苗を購入したりする必要がありますが、その分、生育が早く、次々と収穫を楽しめるのが魅力です。ここでは、代表的な一年草ハーブの栽培方法について解説します。
バジル
バジルは、イタリア料理に欠かせないハーブであり、その甘く爽やかな香りは食欲をそそります。ジェノベーゼソースの主原料としても知られています。
植え付け
バジルは暖かく、日当たりの良い場所を好みます。霜に弱いため、植え付けは霜の心配がなくなった晩春(5月頃)に行います。市販のハーブ用土や、赤玉土、腐葉土、バーミキュライトなどを混ぜた水はけの良い土を用意します。鉢植えの場合は、直径15cm~20cm程度の鉢に1~2株植え付けます。地植えの場合は、株間を20cm~30cm程度空けて植え付けます。
日当たり・置き場所
バジルは日当たりの良い場所でよく育ちます。最低でも1日数時間以上日が当たる場所を選びましょう。日照不足になると、葉の色が悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。
水やり
バジルは乾燥に弱いため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に夏場は、土が乾きやすいので注意が必要です。ただし、水のやりすぎは根腐れの原因となるため、過湿にならないように注意しましょう。
肥料
バジルは比較的肥料を必要とします。植え付け前に元肥として緩効性肥料を少量施します。生育期である春から秋にかけて、月に1~2回程度、薄めた液体肥料を与えます。肥料が不足すると、葉の色が悪くなったり、成長が遅くなったりします。
摘心・脇芽かき
バジルの収穫量を増やすためには、摘心が非常に重要です。本葉が4~6枚になったら、先端の芽を摘み取ります。これにより、脇芽がたくさん出てきて、株がこんもりと茂ります。また、放置しておくと花芽がついてしまうため、花芽を見つけたらすぐに摘み取ります。花芽をつけてしまうと、葉の風味が落ちてしまいます。
収穫
バジルの収穫は、摘心を兼ねて行います。本葉が4~6枚になったら先端を摘み取り、その後も伸びてきた枝の先端を随時摘んで収穫します。収穫したバジルは、生のまま料理に使うのが最も香りが良いですが、乾燥させて保存することも可能です。
コリアンダー(パクチー)
コリアンダー(パクチー)は、独特の強い香りで、エスニック料理を中心に世界中で愛されています。種子(コリアンダーシード)もスパイスとして利用されます。
植え付け
コリアンダーは比較的涼しい気候を好みます。暑さには弱いため、春まき(3月~5月)または秋まき(9月~10月)が適期です。種まきから育てるのが一般的です。鉢植えの場合は、直径18cm~24cm程度の深めの鉢に、種を2~3cm間隔でまきます。地植えの場合は、株間を15cm~20cm程度空けて種をまきます。
日当たり・置き場所
コリアンダーは日当たりの良い場所を好みますが、夏の強い日差しは苦手です。春まきの場合は、日当たりの良い場所で育てますが、夏が近づいて暑くなってきたら、半日陰になるような場所に移動させるか、遮光ネットなどで日差しを和らげます。秋まきの場合は、日当たりの良い場所で育てます。
水やり
コリアンダーは土が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に発芽するまでは土が乾燥しないように注意します。夏場の暑い時期は、水切れを起こしやすいので、こまめな水やりが必要です。
肥料
コリアンダーは肥料をあまり必要としません。植え付け前に、堆肥や腐葉土を混ぜて土壌改良を行っておけば、基本的に追肥は不要です。もし葉の色が薄くなってきた場合は、薄めた液体肥料を少量与えます。
開花
コリアンダーは暑くなるとすぐに花芽をつけてしまいます。花芽がつくと、葉の香りが落ち、食味が悪くなります。これを「とう立ち」といいます。春まきの場合は、開花前に収穫を終えるようにします。秋まきの場合は、涼しい時期に収穫が楽しめます。
収穫
コリアンダーの収穫は、種まきから約1~2ヶ月後から行えます。葉を数枚ずつ摘み取るように収穫します。株全体を根元から刈り取ってしまうと、再生しないので注意しましょう。外側の葉から順に収穫していくのがおすすめです。
ディル
ディルは、フェンネルに似た甘く爽やかな香りが特徴で、魚料理やサラダ、ピクルスなどに利用されます。繊細な葉が特徴です。
植え付け
ディルは日当たりの良い、水はけの良い場所を好みます。暑さにはあまり強くありません。春まき(3月~5月)または秋まき(9月~10月)が適期です。種まきから育てるのが一般的です。鉢植えの場合は、直径15cm~20cm程度の鉢に、数粒ずつ種をまきます。地植えの場合は、株間を20cm~30cm程度空けて種をまきます。
日当たり・置き場所
ディルは日当たりの良い場所を好みます。日照不足になると、葉が細く弱々しくなり、香りが薄れることがあります。ただし、真夏の強い日差しは葉焼けの原因となることがあるため、暑い時期は半日陰になるような場所を選んだり、遮光ネットを利用したりすると良いでしょう。
水やり
ディルは乾燥に弱いため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に発芽するまでは土が乾燥しないように注意が必要です。夏場は水切れを起こしやすいため、こまめな水やりを心がけましょう。ただし、水のやりすぎは根腐れの原因となるため、土が常に湿った状態にならないように注意します。
肥料
ディルは肥料をあまり必要としません。植え付け前に堆肥や腐葉土を混ぜて土壌改良を行っておけば、基本的に追肥は不要です。葉の色が薄くなってきた場合は、薄めた液体肥料を少量与える程度で十分です。
倒伏
ディルは背が高くなるため、風や雨で倒れやすい性質があります。株元を支柱で支えるか、複数株をまとめて植えることで、倒伏を防ぐことができます。
収穫
ディルの収穫は、種まきから約1~2ヶ月後から行えます。葉や茎を必要な分だけ切り取って収穫します。収穫したディルは、生のまま料理に使うのが最も香りが良いですが、乾燥させて保存することも可能です。こまめに収穫することで、株の成長を促すことができます。花が咲くと種ができますが、種もスパイスとして利用できます。
まとめ
多年草ハーブと一年草ハーブは、それぞれに魅力があり、栽培方法も異なります。多年草ハーブは一度植えれば長く楽しめますが、成長がゆっくりなものもあります。一年草ハーブは、手軽に始められ、次々と収穫できますが、毎年植え付けが必要です。ご自身のライフスタイルや栽培環境に合わせて、お好みのハーブを選び、豊かなガーデニングライフを楽しんでください。
